企業・団体向け研修プログラム
伝統産業・文化の盛衰と度重なる災害からの
レジリエンスを“現地現物”で学ぶ、
短期集中型管理職/役職者向け越境プログラムのご案内
本プログラムは、1泊2日の短期集中型管理職/役職者向け越境プログラムです。
「失われつつある伝統産業」「震災・天災被災地」「なくなりつつある集落」を再び盛り上げ持続可能な集落を目指すリーダーの活動や志から刺激を受け、「ビジネスを超えた社会全体への感性」や「自分自身の動機」を磨き、参加者のマインドセットや行動に変容を生み出す「越境」体験を提供します。
あかつき商会(本プログラム企画担当、講師)
株式会社ノトハハソ(体験提供)
2025年12月
企画の背景:「ハハソ(柞)」——繰り返し恵みをもたらす森の記憶
社名にある「ハハソ(柞)」とは、炭の原料となるクヌギやコナラの古名であり、「母なる森、祖なる森」を意味します 。伐採しても切り株から「ひこばえ(若芽)」が萌え出し、8年の歳月を経てまた炭となる。私たちはこの循環の中で、茶の湯の精神性を支える「菊炭」を焼き続けてきました。度重なる震災と豪雨を乗り越え、自然と人の共生を問い続ける今だからこそ、道具炭の背景にある「森の営み」に触れていただきたい。本プログラムは、そのような願いから生まれました。
プログラム概要
対象
役職層~経営層
目的
人材育成、組織開発(リーダー育成、パーパス浸透、組織風土醸成など)
※社会課題の「自分ごと化」と「自社ごと化」を通じて、目的の達成を狙います。
※ニーズに応じた設計変更も行っております。例えば、新規事業晶出を目的に実施することも可能です。
人数
最大8名
期間
1泊2日(内容により数日間での実施も可)
価格
30万円(税抜) ※集合場所までの旅費や宿泊費は含みません
【本件に関するお問い合わせ】
(山林での作業等により電話対応が難しいため、お問い合わせはメールにてお願いいたします)
学びの仕組み
U理論と経験学習を組み合わせることで、「体験を言語化し続ける」学習プログラムを構築。越境の前後だけでなく、どの体験が自分にどのような影響を与えたのかを可視化し続けることで、「何に自分は関心があるのか」「どの要素を見落としがちであるか」といった自分自身を見つめ直す機会にもなります。
導入の効果
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社会課題の自分事化
「失われつつある伝統産業」「震災・天災被災地」「なくなりつつある集落」といった現場を一人称で体感することを通じ、社会課題への理解を深め、当事者意識を醸成します。 -
志を「自分の言葉」に
日本の社会課題に向き合うリーダーの活動と志に触れ、自社の創業理念や自らの志について問い直し、ありきたりな言葉ではない当事者としての自分の言葉で仕立て直します。 -
自分と事業・業務を接続
自身の志を軸につくりたい社会の姿を描き、その実現に向けた業務・組織でのアクションを言語化、実践していきます。
実施パターン
1泊2日の基本パターンを中心に、各社のニーズに合わせたカスタマイズを行います。
また、複数社合同での実施も可能です。
プログラムの流れ
1.事前セッション
(オンライン/2〜3時間程度)
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プログラムの趣旨と目的の共有
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「社会課題とビジネスの関係性」等の事前レクチャー
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現地セッションに向けた事前準備
2.現地セッション
(現地/1泊2日程度)
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社会課題の現場の訪問と体感
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課題の当事者や現地リーダーとの対話
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参加者間での対話と内省
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自身の志や創りたい社会の姿の言語化
3.事後セッション
(オンライン/3〜4時間程度)
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現地セッションでの学びの振り返り
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今後に向けたアクションの具体化/宣言
【お問い合わせ】

炭づくりという伝統産業について知る

能登柞の茶道用木炭

茶道用木炭用のクヌギが育つ「柞の森」

炭火で茶を味わう

令和6年能登半島地震の被災現場を訪ねる

炭やき職人との対話
このプログラムに関するFAQ
Q1
なぜ能登・珠洲で研修を行うのですか?
珠洲市は、日本の縮図とも言える課題(人口減少による集落の消滅危機、伝統産業の衰退、度重なる災害)と、それらに抗い未来を創造する「生きた教材」に溢れています。このリアルな現場こそが、リーダーの固定観念を揺さぶる最適なフィールドだと考えるからです。
Q2
炭やきや茶道の知識が全くありませんが、参加できますか?
はい、全く問題ありません。本プログラムは、知識獲得や技術習得が目的ではありません。むしろ、知識ゼロの視点から「良い炭とは何か?」「なぜ茶道で炭が使われるのか?」といった本質的な問いに触れ、自らの事業に置き換えて考えることを重視しています。
Q3
IT企業や金融など、炭と全く異なる業界でも学びはありますか?
あります。例えば、モニターツアー参加者からは「需要があるときには禿山になるまで伐採し、用がなくなれば手つかずになるのは、ITの使われ方にも近しいものがある」との声をいただいています。一見遠い世界から「本質」を学び、自社に「抽象化」して持ち帰るプロセスに価値があります。
Q4
企業の課題に合わせたカスタマイズは可能ですか?
可能です。「新規事業開発チームの視点を養いたい」「次世代幹部にレジリエンスを学ばせたい」「行政職員として地域課題解決のヒントを得たい」など、特定のテーマに合わせたプログラムの調整や、ディスカッションのファシリテーションに対応します。
Q5
被災地を訪問することに懸念があります。安全面や心構えは?
安全管理は徹底して行います。その上で、復興の途上にある「ありのままの姿」を見ていただくことが、本プログラムの重要な要素の一つです。参加者の皆様には、観光客としてではなく、共に未来を考える「当事者」としての視点を持ってご参加いただくことをお願いしています。(本プログラムは宿泊、飲食など、地元事業者の活用も意図して設計されています)
2025年に行ったテストプログラム参加者の声

研修事業経営/40代男性
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プログラム全体の二日間の設計・ルートは非常によく練られていたと思います。学びが深くなるように設計されていた
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炭やきを中心としたテーマ設定が、ツアーの中で抽象・具体を行き来する上で最初の課題提起としてうまく働いている
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振り返りながらファイルに綴じられるという仕組みや、事前課題に再度向き合う、という設計は学びがより定着しやすい

飲食事業経営/40代女性
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行政職員向けとしても良いのでは。大野さんの度重なる被災のなかで事業を継続している取り組みから学ぶことがあるのではないか。
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需要内容と作り手の想いの交差するところ、交差しない点などなど垣間見ることができた。それにより自身・自社に置き換えての考え方がスムーズに考えることができた。
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炭を目利きしていく中で「良いもの」は具体的に言葉にしてみることで納得できるのだなと学びました。

起業家/30代男性
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『尉』をくずしてみる体験ができたのは、本物の違いを体感することができてよかったです(まだ手に感触が残ってます!笑)。
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何事にも大きく流れる波のようなものがあり、落ち込むからこそ次の大きな波が生まれ安定していくことを学びました。
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自分が向き合っている様々な課題(沈むとき)にもおそらく必然性があり、大局観をもって次の大きな波(昇るとき)に向けて炭のように魂を燃やしていこうと思いました。